気づけばもう11月。
ということで、そろそろ年末にかけて個人的「2014年リリースの好きなアルバム」について、ボチボチ書いていこうと思います。
気ままに不定期更新になると思いますが、付き合っていただけると嬉しいです◎
※因みにアルバムの紹介順は順不同です。ランキング形式にはしません。
今回は早速その第1弾。
go!go! vanillas『Magic Number』について、です。
今週水曜にリリースされたばかりなので、鮮度あるうちに!
いわゆる「若手バンド」と歳が近いため、勝手ながらそういう人たちの音楽を「次世代を担うか」よりも「『これがうちらの世代だ』と胸張りたくなるかどうか」という観点で見てしまうんだけど、そんな自分だからこそこういう場でちゃんと言っていきたいと思う。やっぱりバニラズの音楽は信頼できる、ということを。「邦楽ロックの若手バンド」という枠組みに当てはめて勝手に決めつける前に聴いてほしいんだ、ということを。
個人的に、バンドがメジャーデビューするときはシングルがいいと思う派だ。明確にデビュー曲だと言えるキラーチューンで以て一発バシッとバンドの色を示す方が聴き手としても分かりやすいし、後々キャリアを重ねていくバンドの灯台的存在にもなってくれるかもしれない。しかしバニラズはこの『Magic Number』――11曲入りのフルアルバムでメジャーデビューを果たした。その上、アルバム全体の流れも決して派手ではなくて、「満を持してメジャーデビュー!!」と太字で書くようなテンションの作品ではない。
バスドラとハンドクラップのリズムで幕を開ける「セルバ」は印象的なギターリフで客を踊らせる昨今のダンスチューンとは一味違う。「春眠」を聴けば、シングル『EMA』で吉田拓郎の曲をカバーしたこともより納得できるし(因みに、ヴォーカルの牧達弥はFavorite Artistに拓郎の名を挙げているほど)、『スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR』から始まった今年をバンドとともに駆け抜けてきた「オリエント」は再録版になっていて、シングル収録時よりも切実な響きで胸に迫る。その他には、リズムパターンを自在に変えながら、しかしなだらかに転がっていく「サマータイムブルー」。ゆるやかなヴォーカルラインと、リズム隊の動きが対照的な「ドアー」、などなど。〈ネバーエンディングストーリーさ こんなもんじゃないんだよ〉なんてフレーズで終わる「ティーンネイジャーズノイズ」は彼らなりの“これから”への意思表明なのだろうか。
今までのバニラズは、洋楽に疎い私でも海の向こうの古き良きロックンロールから影響を受けていることが分かるサウンドだったし、ライヴなどで垣間見えるメンバーのキャッチーなキャラクターも相まって(笑)ゴキゲンなロックンロールを鳴らすバンドだという印象が強かった。しかしこのアルバムは、ロックンロールという枠から平然とはみ出す自由な音楽(特に日本人的な響きのメロディラインが特徴的だが)となっている。その自由度、バンドの姿勢を示すためにはこの曲数が必然だったのだろう。だからバニラズはフルアルバムでデビューするんだなあと納得したのだ。
前回のフルアルバム『SHAKE』のリリースからは約1年3ヶ月が経過。そのわずか1年の期間のなかで、様々なジャンルの音楽をスポンジのように吸収し、それをまた自分たちのフィルターでろ過してきたのだということがとてもよく伝わってくる。それはフロントマンであり作詞作曲を担当する牧によるところも大きいが、それに応える他3人のプレイヤーとしての守備範囲の広さ・単純な好奇心があってこその結果であろう。そういう「今の俺たちのモード」みたいなものがとても素直に表れているから、やっぱり血の通った音楽をやっている人たちなんだよなあと、より一層思えたりする。そしてこういうバンドにこそシーンを切り拓いてほしいという思いが、より一層強くなったりする。
#favorite track
5曲目「オリエント」、6曲目「春眠」
★2曲目「エマ」
★3曲目(リードトラック)「マジック」
★5曲目「オリエント」
ということで、そろそろ年末にかけて個人的「2014年リリースの好きなアルバム」について、ボチボチ書いていこうと思います。
気ままに不定期更新になると思いますが、付き合っていただけると嬉しいです◎
※因みにアルバムの紹介順は順不同です。ランキング形式にはしません。
今回は早速その第1弾。
go!go! vanillas『Magic Number』について、です。
今週水曜にリリースされたばかりなので、鮮度あるうちに!
![]() | Magic Number(初回限定盤) (2014/11/05) go!go!vanillas 商品詳細を見る |
いわゆる「若手バンド」と歳が近いため、勝手ながらそういう人たちの音楽を「次世代を担うか」よりも「『これがうちらの世代だ』と胸張りたくなるかどうか」という観点で見てしまうんだけど、そんな自分だからこそこういう場でちゃんと言っていきたいと思う。やっぱりバニラズの音楽は信頼できる、ということを。「邦楽ロックの若手バンド」という枠組みに当てはめて勝手に決めつける前に聴いてほしいんだ、ということを。
個人的に、バンドがメジャーデビューするときはシングルがいいと思う派だ。明確にデビュー曲だと言えるキラーチューンで以て一発バシッとバンドの色を示す方が聴き手としても分かりやすいし、後々キャリアを重ねていくバンドの灯台的存在にもなってくれるかもしれない。しかしバニラズはこの『Magic Number』――11曲入りのフルアルバムでメジャーデビューを果たした。その上、アルバム全体の流れも決して派手ではなくて、「満を持してメジャーデビュー!!」と太字で書くようなテンションの作品ではない。
バスドラとハンドクラップのリズムで幕を開ける「セルバ」は印象的なギターリフで客を踊らせる昨今のダンスチューンとは一味違う。「春眠」を聴けば、シングル『EMA』で吉田拓郎の曲をカバーしたこともより納得できるし(因みに、ヴォーカルの牧達弥はFavorite Artistに拓郎の名を挙げているほど)、『スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR』から始まった今年をバンドとともに駆け抜けてきた「オリエント」は再録版になっていて、シングル収録時よりも切実な響きで胸に迫る。その他には、リズムパターンを自在に変えながら、しかしなだらかに転がっていく「サマータイムブルー」。ゆるやかなヴォーカルラインと、リズム隊の動きが対照的な「ドアー」、などなど。〈ネバーエンディングストーリーさ こんなもんじゃないんだよ〉なんてフレーズで終わる「ティーンネイジャーズノイズ」は彼らなりの“これから”への意思表明なのだろうか。
今までのバニラズは、洋楽に疎い私でも海の向こうの古き良きロックンロールから影響を受けていることが分かるサウンドだったし、ライヴなどで垣間見えるメンバーのキャッチーなキャラクターも相まって(笑)ゴキゲンなロックンロールを鳴らすバンドだという印象が強かった。しかしこのアルバムは、ロックンロールという枠から平然とはみ出す自由な音楽(特に日本人的な響きのメロディラインが特徴的だが)となっている。その自由度、バンドの姿勢を示すためにはこの曲数が必然だったのだろう。だからバニラズはフルアルバムでデビューするんだなあと納得したのだ。
前回のフルアルバム『SHAKE』のリリースからは約1年3ヶ月が経過。そのわずか1年の期間のなかで、様々なジャンルの音楽をスポンジのように吸収し、それをまた自分たちのフィルターでろ過してきたのだということがとてもよく伝わってくる。それはフロントマンであり作詞作曲を担当する牧によるところも大きいが、それに応える他3人のプレイヤーとしての守備範囲の広さ・単純な好奇心があってこその結果であろう。そういう「今の俺たちのモード」みたいなものがとても素直に表れているから、やっぱり血の通った音楽をやっている人たちなんだよなあと、より一層思えたりする。そしてこういうバンドにこそシーンを切り拓いてほしいという思いが、より一層強くなったりする。
#favorite track
5曲目「オリエント」、6曲目「春眠」
★2曲目「エマ」
★3曲目(リードトラック)「マジック」
★5曲目「オリエント」
スポンサーサイト